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少し前になりますが、昨年12月に信楽の堂本陶工房の
堂本正樹さんの工房を訪ねてきました。
普段はなかなかお聞きすることができないことも、
また、堂本さんの土との出会い、
そして、古谷さんとの運命的な出会いについても
お聞きすることができました。
モノづくりを行っている現場!ということを、肌で感じることができた工房。
様々な道具、土の香り、堂本さんが大切になさっている
化粧土や釉薬が入ったバケツ。。
土が飛び散った床や壁、ろくろ、乾燥中のうつわの棚、棚。。。
圧巻の工房でした。
お忙しい中、1時間近くもお話にお付き合いいただきました。
たくさんのファンがおられる堂本さんのうつわが、
こうして、ここで生まれているのかと思うと、
感慨深く、アッという間に時間が過ぎた訪問でした。
助手の方にも、とても優しく話しかけられる堂本さん。
優しいお人柄が、うつわにも表れていますね。
以下、堂本さんとの会話です。
お忙しい中、お付き合いいただきました堂本さんに感謝です。
ありがとうございました。
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店主 :うつわづくりを始められたきっかけを教えてください。
大学では、美術を学ばれていたと聞きましたが・・
堂本さん:はい。大学時代には絵を描いていました。
卒業後のことを考えたとき、ずっと絵を描いていくのも
将来性を考えると、大変かと思っていました。。
大学3年の夏に、モノづくりの盛んな信楽に行ってみました。
昔から、造形やモノづくりが好きだったんです。
フラッと入った信楽駅近くの食事処で
古谷製陶所を紹介してもらうことができ、
そのまま夏休みの間、3週間ほど古谷製陶所で
アルバイトをさせてもらうことになったんです。
そして、大学卒業後に信楽に戻り、正式に就職することに
なりました。
古谷製陶所には、当時も、そして、今も若い人が多く、
その中で切磋琢磨できる環境でした。
店主 :土との出会いはいつでしょう?
堂本さん:古谷製陶所に入ったときに、初めて土を触ったんです。
古谷さんのところでは、土の練り方から始まり、
一から学習しました。
最初の3年間は、ずっと化粧掛だけをしていました。
朝から晩まで、化粧の掛具合、化粧の厚さなどを
とことん学びました。
そして、夜には窯業所に通い、ろくろを学びました。
いまだに、化粧掛の時に割れてしまうこともありますよ。
乾燥のタイミングのみが難しいのです。
店主 :化粧土の魅力は?
堂本さん:化粧土の魅力は古谷さんのところで学びました。
メインの粉引の他に、緑青・黒・紫を主に作っています。
どんどん増えていってますね。
店主 :一年に何回位、イベントに参加しておられますか?
堂本さん:年に12回くらいかな。平均して月に1回参加しています。
その中で一番大きなものは、毎年2月に行われる
東京ドームのテーブルウェアです。
イベントの時は開催期間中、ずっと常駐しています。
店主 :では、イベントと作陶でいっぱいいっぱいですね。。
堂本さん:はい、でも今年からは、もっと計画を立てながら、納品を予定通り
こなしていきたいと思います。
店主 :では助手の方を増やしていこうと・・?
堂本さん:いえ、それは考えていません。
奥さんにもゴールデンウィークの信楽のイベント時以外は
手伝ってもらってはいないのです。
自分が好きでやっているので、楽しみながらやっています。
店主 :助手の方は何人おられるのでしょうか?
堂本さん:助手は1人のみです。
陶芸を学び始めたばかりの方なので、
たたら生成機で土を伸ばしてもらったり、
型にはめてもらったりしています。
作品作りで重要なところや、最後のポイントは自分で行います。
店主 :ろくろよりも、型にはめて作るうつわが多いですか?
ろくろは1台のみでしょうか?
堂本さん:はい。1人なので、ろくろは1台で十分です。
ろくろは、主にカップを作るときに使います。
今は、石膏型にはめて作るものが多いです。
型によって切れやすいものがあり、相当苦労しています。
店主 :窯はいくつあるのでしょうか?
堂本さん:窯は電気窯が2台あります。
窯詰も釉掛けも1人で行います。酸化焼成のみを行っており、
還元焼成は行いません。
店主 :うつわのデザインやイメージは、どのようにして生まれるのですか?
堂本さん:普段の作陶の中で、ふっと思いついて、作ってみたりしています。
個展の時には、新しいものを出すようにしています。
今回、思いついて、できたのはスリップウェア。
緑青に、黒の顔料の泥が反応して、色が変わる面白さに魅せられています。
店主 :土はどこの土を使われているでしょう?
堂本さん:すべて信楽の土を使っています。
店主 :作品によって、土を変えたりされていますか?
堂本さん:釉薬の種類が増え、それに対応するため
赤土と白土を使い分けて使用しています。
釉薬の種類によっては、白土のほうが安定しますね。
店主 :今まで作ってきた中で一番気に入っておられるものはありますか?
堂本さん:う〜〜ん。。どれもいいけれど、形が面白いコンポートは好きですね。
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- 2019.02.16 Saturday
- 作家さん訪問
- 21:37
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- by gallery-towa